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ケミカルピーリング

Q4どのような作用機序で効きますか?

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 ケミカルピーリングは、皮膚をはがすことで生じる効果を利用した治療法です。その深さをケミカルピーリングガイドラインでは4段階に分けています(資料1、2)。厚く剥がすことで、例えば前癌病変などの病変を除去することが可能です。また、薄く剥がすこと(角層除去)により、皮膚のいろいろな再生機構が働き、新しい皮膚の再生が期待できます。

にきび

 にきびは、皮脂が毛穴に貯留することでにきびのもと(角栓)が形成されることから始まります。炎症が生じますと、赤く痛みを持ったにきびや膿をもったにきびとなります。浅い深さのピーリングにより毛穴を閉塞させている角質や面皰は排出され、つまった毛穴は開通されますので、にきびは改善され、また、にきびのできにくい皮膚の状態になります。また膿をもった炎症性にきびの場合にも、浅いケミカルピーリングにより排膿が促され治癒が促進されます。

しみ

 ケミカルピーリングにより表皮の生まれ変わり(ターンオーバー)が促進され、表皮内に貯留していたメラニン色素が上行して角質とともに脱落し、また、表面に固着していた角質も均等に剥離されるため、くすみも改善されます。用いる薬品によっては、薬品が直接メラニン色素に働きかけ、しみを薄くすることも言われています。しかし、これらの変化は、顕微鏡レベルでは証明されていますが、実際に肉眼で確認することができるためには、根気よく治療を続け、また治療中の遮光などの努力が必要です。

資料1 ケミカルピーリングの剥離深度による分類
剥離深達レベル 剥離深度による分類名称 組織学的剥離の深さ
1 最浅層ピーリング 角層
2 浅層ピーリング 表皮顆粒層から基底層の間
3 中間(深)層ピーリング 表皮と真皮乳頭層の一部から全部
4 深層ピーリング 表皮と真皮乳頭層および網状層に及ぶ深さ
資料2:ケミカルピーリングの剥離深度
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