解説:白人に生じる基底細胞癌(BCC)の多くは無色素性で、病理学的にも高リスク型の頻度が比較的高い。そのような背景から、色素性で低リスク病理型の多い本邦のBCCに比べ、術後再発率が高い。従って、欧米ではMohs手術(術中にすべての切除断端を凍結切片で確認しながら手術を施行する)が最も低い再発率を示し、推奨されている(
1,
2)。しかし、様々な理由により本邦ではMohs手術は行われていない。本邦では、高リスク組織型のBCCに対しては、凍結切片による術中迅速病理検査による切除断端の確認がよく行われている。残念ながら、その意義に関しては国内からは症例報告ばかりでエビデンスレベルの高い報告は存在しない。
欧米においては、Mohs手術が外科切除に比較して有意に術後再発率が低いとする報告が多数ある(
1,
2,
3)。しかし最近、Mohs手術と一部の断端のみ術中に検討する外科手術との間に再発率に差がみられないという報告がなされた(
3)。初回治療例の局所再発率:3%(通常切除)vs 2%(Mohs手術)(95%CI:2.5%-3.7%)、再発例の局所再発率:3%(通常切除)vs 0%(Mohs手術)(95%CI:2.0%-5.0%)であり、統計学的有意差はみられないと判断された(
3)。この報告は、本邦で行われている凍結切片による術中迅速病理検査による切除断端の確認によって、Mohs手術に匹敵する低い再発率が達成できる可能性を示している。
以上より、BCC、特に高リスク病変(大きさ、病理型、発症部位)の手術においては、術中凍結切片による切除断端の確認が推奨される。