MM-CQ15
メラノーマに対してインタ−フェロンアルファを術後補助療法として投与すると生存率が改善するか
推奨度:C1
推奨文:術後補助療法としてインタ−フェロンアルファ(IFN-α)を大量、長期間投与すると、T4(tumor thickness>4mm)とN1(旧UICC分類)のメラノーマ患者の無病生存期間は延長するが、全生存期間への効果は確証されていない。
解説:T4(tumor thickness>4mm)と旧UICC分類のN1(径3cm以下の所属リンパ節転移)のメラノーマ患者に根治術を施行後、高用量のIFN-αを1年間投与すると対照群(無処置)に比べ全生存期間(3.8年対2.8年、P=0.0237)と無病生存期間の中央値(1.7年対1年、P=0.0023)に有意差がみられたとするランダム化比較試験が米国から報告され(1)、米国FDAもこの補助療法を承認した。しかし、その後に実施された臨床試験では5年無再発生存率に有意差は認められたが(44%対35%)、全生存期間には有意差が検出されなかった(2)。WHO研究グル−プが施行した旧N1(径3cm以下の所属リンパ節転移)の根治的郭清後に比較的低用量のIFN-αを週3回、3年間にわたって投与するランダム化比較試験では、対照群(無処置)に比べ2年無病生存率の向上はみられたが(46%対27%、P=0.01)、投与終了後に生存率の有意差は消失した(3)。また、旧病期II (tumor thickness>1.5mm)のメラノーマ患者を対象に、根治術後に比較的低用量のIFN-αを長期間投与するランダム化比較試験がオーストリア(4)とフランス(5)で実施され、有意な予後の改善が報告されたが、その後、十分な追試は行われていない。