Paget-CQ11
遠隔転移を生じた進行期乳房外パジェット病患者に化学療法を実施すると予後が改善するか
推奨度:C1
推奨文:遠隔転移を生じた進行期の乳房外パジェット病患者に対して有効な化学療法剤は知られておらず、推奨すべきレジメンも存在しない。
解説:遠隔転移を生じた進行期の乳房外パジェット病に対して有効な化学療法剤は知られておらず、同じ腺癌である消化器癌や乳癌に用いられてきた抗がん剤が単独または併用でごく少数例に試みられているに過ぎない。これまでに、単剤ではetoposide、docetaxelなどが、併用では5-fluorouracil + mitomycin c, carboplatin + 5-fluorouracil + leucovorin、epirubisin + mitomycin c + vincristine + carboplatin or cisplatin + 5-fluorouracil, cisplatin(low dose) + 5-fluorouracilなどの組み合わせでPRまたはCRが得られたという症例報告がある(1,2,3,4)。しかし、多数例を対照とした臨床試験は行われていないので、進行期の乳房外パジェット病に対するこれらの化学療法の奏効率は不明である。また、有効例においてもその効果は一過性であることが多く、生存期間の延長が期待できるか否かも不明である。