Paget-CQ13
乳房外パジェット病に対し術後放射線療法を行うことは有益か
推奨度:C2
推奨文:乳房外パジェット病に対し、術後補助療法としての放射線療法が有益であるか否かは不明である。
解説:乳房外パジェット病には外科療法を中心とした治療法が選択される(1,2)。しかし、手術療法が施行されても、浸潤癌や深部方向に腺癌の成分を含む症例では稀ならず局所再発し(1,3,4)、切除断端陽性例では術後再発までの期間が1〜2年程度とされている。腫瘤を形成するような場合、摘出の切除範囲が狭いと再発率は高く、手術単独治療後の局所再発率は15〜67%であるので、術後補助療法の施行が考慮される(1,2,4,5,6,7)。本疾患を対象に術後放射線療法の有益性を検証したランダム化比較試験や前向き試験は存在せず、その有益性は明らかではない。しかし、手術後に局所再発の可能性が高い症例(浸潤癌、切除断端陽性例、深部に腺癌を含む症例など)では、局所制御を目的とした術後の放射線療法が症例毎に検討されてもよい。至適照射スケジュールは明らかではないが、周囲正常組織の耐容線量を考慮し、40〜60 Gy程度が投与される(1,4,8)。一部の報告では、再発の可能性が高い症例には術後放射線療法として55 Gy以上の照射が必要であるとしているものの、根拠とする臨床データの症例数が少なく至適線量と見なせるかは不明である(4)。