Paget-CQ14
乳房外パジェット病の術後、どの程度の頻度で何年間、経過観察すべきか
推奨度:C1
推奨文:乳房外パジェット病の術後経過観察法に関するエビデンスは存在しない。表皮内癌または微小浸潤癌の段階では術後3〜6ヶ月毎に、浸潤癌の場合は3ヵ月毎に診察し、適宜に胸部X線撮影や腹部エコーを行う、というエキスパート・オピニオンが提唱されている。
解説:乳房外パジェット病の術後に、どの程度の頻度で何年間経過観察が必要かを科学的エビデンスに基づいて示した論文は存在しない。したがって、個々の症例に応じて判断する以外にない。ひとつのエキスパート・オピニオンとして、日本悪性腫瘍学会編「皮膚悪性腫瘍取扱い規約」(1)では、根治手術がなされた表皮内癌または微小浸潤癌では原発局所および所属リンパ節を中心に、1年目は1〜3ヶ月毎、2・3年目は3〜4ヶ月毎、4年目以降は6ヶ月毎に診察すること、浸潤癌の場合は、3ヶ月毎に一般的診察、3〜6ヶ月毎に胸部X線撮影、6ヶ月〜1年毎に腹部エコーを行うことが推奨されている。術後何年目まで経過観察が必要かについても明確な基準はない。5年程度が妥当と考えられるが、より長期の経過観察が必要との意見もある(2)。特に本症は多中心性発生があり、術後5年以上経過した後に外陰部や腋窩に新たな病巣を生じることがあるので、注意を要する。