 |
|
Paget-CQ6
乳房外パジェット病に対し、イミキモド(imiquimod)は外科的切除と比較して有益か
推奨文:Imiquimod外用による乳房外パジェット病の治療は報告が少なく、外科的治療と再発率や生存率を比較したデータもみられないので、有益性を論じる段階ではない。
解説:Imiquimodは細胞表面のToll-like receptor 7を介してインターフェロン等のサイトカインを誘導し、自然免疫を活性化する。抗ウィルス作用や抗腫瘍効果を有し、欧米ではウィルス性疣贅の治療薬として使用されている。疣贅以外にも表在性の皮膚腫瘍(基底細胞癌、Bowen病、日光角化症、メラノーマの皮膚転移、皮膚T細胞リンパ腫)の治療に応用されている( 1)。
乳房外パジェット病でも手術不能例や術後再発例に対して本剤が有効との報告が散見され( 2)、Cohenら( 3)の最近のレビューでは9例中7例と高い完全奏効率が報告されている。使用法は6〜16週間外用を継続する。副作用としては灼熱感、痛みなどの局所反応のほか、悪心・嘔吐といった全身症状がみられることもある。現在のところ治療後の観察期間も短く、本剤の有益性を評価するだけのエビデンスはないが、治療の簡便性を考慮すると今後、臨床応用へ向けた研究の実施が望まれる。
|
|
 |