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Paget-CQ9
外陰部の乳房外パジェット病で両側鼠径リンパ節転移があるとき、外科的根治術を施行すると生存率は改善するか
推奨文:両側の鼠径リンパ節転移がある場合、外科的根治術を行っても生存率は改善しない。
解説:両側鼠径リンパ節に転移を生じた外陰部の乳房外パジェット病の予後は極めて悪いことが知られている。両鼠径リンパ節転移例に対する外科的根治術の有益性を比較したランダム化または非ランダム化比較試験は存在せず、限られた数の後ろ向き研究と症例集積研究しか報告されていない。大原ら( 1)の報告によれば、片側のみのリンパ節転移の場合は5例中1例が、両側リンパ節転移の場合は6例全例が原病死しており、両側リンパ節転移への根治手術の適応を疑問視している。他にも両側リンパ節転移例は遠隔転移例と比べ、予後に差がないとする報告がみられる( 2)。従って、両側鼠径リンパ節転移がある乳房外パジェット病に対し、根治術としての外科療法を行うことは推奨されない。
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