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SCC-CQ7
有棘細胞癌の遠隔転移巣を外科的に切除することは有益か
推奨文:有棘細胞癌の転移巣を切除することによって生存率が向上するという高い水準の根拠はない。緩和療法などとしての意義が高い場合に限り、治療選択肢の一つとして検討してもよいが、大半の症例ではその有益性はない。
解説:有棘細胞癌(SCC)に関する既存のレビュー(Cochrane Library, Clinical Evidence:issue 9, Evidence-based Dermatology)や英国およびオーストラリアのガイドラインでは、遠隔転移の切除に関する記載そのものが存在しない。
米国のNational Comprehensive Cancer Network (NCCN)のガイドライン( 1)もほぼ同様の立場をとっている。ただし、このガイドラインでは、遠隔転移例に対しては、多領域の専門家からなる集学的臨床試験の実施を考慮すべきであると記載されており、転移巣の切除も緩和療法の選択肢の一つとして挙げられるかもしれない。
以上より、SCC転移巣の外科的切除は緩和療法以上の意味を持ちえず、これを実施するのは、切除が容易でQOL改善などの有益性が明らか、というような場合に限られるであろう。
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