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やけど

Q3やけどはどうしたら早く治りますか?どんな治療法がありますか?

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 やけどはその深さによってI度熱傷からIII度熱傷に分類されます(表1)。I度熱傷は表皮熱傷(皮膚の表面だけのやけど)ともよばれ、やけどをした部位に赤みがある状態のやけどを言います。このやけどはとくに治療をしなくても傷跡をのこすことはありませんが炎症を抑える作用のある軟膏が有効です。II度熱傷は水疱(みずぶくれ)ができるやけどですが大きく2つに分類され、II度熱傷のうち浅いものを浅達性II度熱傷と言い、みずぶくれがやぶれると、きず(潰瘍)になりますが医師の治療を受けるとふつうは1-2週間で治り、多くの場合瘢痕(きずあと)を残さないことが多いやけどです。それよりも深い深達性II度熱傷の場合には適切な治療を受けても治るのに1ヶ月以上かかり瘢痕(きずあと)や瘢痕拘縮(ひきつれ)をのこすことが多いです。皮膚の厚さ全てが熱による傷害を受けるIII度熱傷では自然治癒には非常に時間がかかりますので基本的に入院して植皮術などの外科的治療が必要になります。このようにやけどの治療には冷却、洗浄、軟膏治療などによる保存的治療と植皮術を中心とした外科的治療とがありますが、やけどの深さや広さで適宜治療法を選択されます。医師の治療を受けなかったり、細菌感染がおきたり、糖尿病などの基礎疾患があると浅いやけどでも深いやけどとなり治るまでに時間がかかったりきずあとを残すことがありますので、早期に皮膚科医の治療を受けることが大切です。

表1:臨床症状による深度分類
分類 臨床症状
I度熱傷 赤くなり、痛い。数日で治る。
浅達性II度熱傷 赤くなり、水疱(水ぶくれ)ができ、痛い。
水疱底は圧迫で発赤(赤み)が消失
深達性II度熱傷 赤くなったり、紫色~白くなり、水疱(水ぶくれ)ができ、痛みは軽度。
水疱底は圧迫しても発赤(赤み)が消えない。
III度熱傷 黒色、褐色または白色。水疱(水ぶくれ)はできず、痛くない。

参考資料:高橋健造、佐伯秀久編『皮膚疾患の最新治療2021-2022」南江堂、p.125

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