Q7入院して治療を受けなければいけないやけどはどのようなものなのでしょうか?
まず熱傷の範囲で考えますと、熱傷の範囲がII度熱傷で全体表の皮膚の15%を超える場合やIII度熱傷が2%を超える場合は入院して治療を受けることが原則です。なお、さらに広い範囲のやけどの場合には熱傷ショックになって命に関わることもありますので大きな総合病院で輸液治療と感染症の治療を中心とした集中的な治療を直ちに受けることが必要です。また、火災や狭い部屋でのやけどの場合には皮膚のやけどが小さくとも気管や肺にやけどする気道熱傷が起こることがありますが、この場合は直ちに入院して集中治療室(ICU)で治療しなければなりません。また、広い範囲に深いやけどを受けた場合にも植皮術などの外科的治療が必要となりますので、やけどの治療の経験が豊富な皮膚科医の治療を受けることが必要です。さらに電気によるやけど(電撃症)や化学薬品によるやけど(化学熱傷)の場合も入院治療が必要です。またすでに述べたように糖尿病などの基礎疾患をお持ちのご高齢の患者さんや抵抗力の低いお子さんの場合は入院が必要です。