Q4日焼けはどうして起こるのですか?
日本語の「日焼け」という言葉は紫外線により皮膚が赤くなる「サンバーン」と、その後黒くなる「サンタン」を含めて使われていますが、サンバーンは紫外線による皮膚のヤケド、サンタンはその結果おこるメラニン増加です。

日焼け反応(サンバーン)の主役はUVBです。細胞のDNAに吸収されたUVBは、DNA鎖の隣同士のピリミジン塩基を結合させて、ピリミジン2量体という一種の傷を作ります。

これができるとDNAの複製がうまくできなくなるので、細胞にはこの傷を取り除く仕組みが備わっています。これをヌクレオチド除去修復能といいます。この結果傷の部分が取り除かれ、元通り正しい塩基配列が作られます。

こういう修復反応がきっかけとなったり、直接的に細胞膜の傷害が細胞内に伝わったりすることにより、炎症を起こす様々な遺伝子が発現して、細胞から多数の炎症惹起因子が放出されます。その結果、翌日には皮膚が痛みを伴って赤く腫れ上がり、1週間ほど経つと死んだ皮膚が薄い膜状になって剥がれ落ちます。
色が黒くなるサンタンもこの一連の炎症反応により、メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)が刺激され、メラニンを大量に作った結果です。メラニン色素は紫外線を非常によく吸収しますので、次回の紫外線暴露に備えた防御機構といえます。大事なことは色が黒くなるサンタンは皮膚が傷害された結果起こる反応です。色を黒くするために紫外線をわざわざ浴びることは、皮膚に余分な傷害を与えることになります。