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日焼け

Q5光老化は普通の老化とどう違うのですか?

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 お年寄りの顔にはシミやしわが多く、またイボ状の変化も見られます。しかし、これは歳をとっただけで起こったものではありません。現にお年寄りでも日光を浴びない太股の内側などは色が白く、柔らかで、細かいしわはあるものの、深いしわはありません。通常の老化は年齢と共に身体の生理的機能が損なわれていくことですが、光老化は慢性の紫外線傷害です。これは加齢によって起こる老化とは質的に違う変化で、加齢による老化に上乗せの形で起こります。

加齢による老化と光老化

 一番大きな違いは加齢による老化では皮膚の厚さや色が薄くなる方向に向かいますが、光老化は紫外線に対する防御反応として、皮膚は厚くゴワゴワになり、色も濃くなります。それがシミ、しわとなって現れます。

 光老化で特徴的なことは真皮にあって皮膚の張りを保つ弾性線維が破壊され、お団子状態になる光線性弾性線維症という変化が起こることです。

光線性弾性線維症

 年をとっただけではこの変化は起こりません。弾性線維が機能しなくなるため皮膚の張りが無くなり、しわや、たるみができます。

 例えてみれば赤ちゃんの皮膚は、白くて弾力に富み滑らかな「絹のハンカチ」、お年寄りの日光に当たらない皮膚は、白いがカサカサして薄い「ティシュペーパー」、お年寄りの顔は茶色くてゴワゴワし、曲げるとしわができる「ボール紙」ということになります。このように光老化は普通の老化とは異なる変化であり、その気になれば予防可能なものです。また光線防御により多少とも元に戻る可能性があります。

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