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とこずれ(褥瘡)

Q3褥瘡の予防はどうすればよいでしょうか?

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 褥瘡予防において最も基本的な点は、体圧分散寝具を使うということです。仰臥位(仰向きで寝ている状態)では、体重は頭部、肩甲骨部、仙骨部、足部の4点で支えられています。これらの部位に加わる圧迫力をなるべく広い面積で受けるようにすることが褥瘡予防において必要です。そのためには、体の凹凸に合うように作られた体圧分散寝具(ベッド、上敷きマットレス)が役立ちます。介護される方が自力で体位変換できなくなった時に体圧分散寝具の使用を開始するのが良いと考えられます。体圧分散寝具にはエアーマットレスやウォーターマットレスがあります。在宅で体圧分散寝具を使用する場合業者などから借りる(介護保険を利用して1割負担で月額800円前後)と良いと考えます。その際、ケアマネージャーに相談して下さい。

 また「寝たきり状態」の方では2時間毎の体位変換が、車椅子の方では20分毎のプッシュアップが一般的に推奨されています。しかしながら、家庭で介護に携わる多くの方にとって2時間毎の体位変換は大変ですし、何時間ごとの体位変換が良いかは個人の栄養状態や体圧分散寝具の使用の有無が大きく左右します。訪問看護師などに相談して実行可能な体位変換計画をたてるべきでしょう。

 体位変換は仰臥位と左右側臥位の3つの体位を組み合わせて行うことが多いのですが、気をつけて頂きたいことがあります。まず、ヘッドアップ(ベッドの背を立てて、上半身を起こした状態にすること)は30度以下にすることが重要です。これ以上体を起こしますと、体の重みで体全体が下方へずり落ち、皮膚表面と皮下脂肪組織との間にズレが起こります。また、臀部(でんぶ)全体で体重を支えるには側臥位では30度が最適であるため側臥位の場合は30度にして下さい。

資料1 30度側臥位。脚に枕などを挟むと良い。
資料1

 さらに、体位変換後に皮膚やシーツにシワができていないか気をつけて下さい。シワは皮膚に捩れ(ズレ)を生み、ズレの生じている皮膚では血管が引き伸ばされるため、通常の1/2~1/6の圧迫で褥瘡ができてしまいます。特に、側臥位では注意が必要です。また、拘縮(関節が固まって動かない状態)のある方では、手指の握りこみや拘縮肢の圧迫によって褥瘡ができることがありますので、その場合の予防策として、指と指の間には厚めの創面を被覆する材料を、拘縮(関節が固まって動かない状態)肢と体幹の間などには座布団などを挟むと良いと思います。かかとも褥瘡のできやすい部位なので下腿(ふくらはぎ)の下に座布団などを敷き、かかとをベッドから浮かせるようにすることが必要です。

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