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ケロイド

Q1ケロイドと肥厚性瘢痕とはどうちがうのでしょうか?

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 ケロイドおよび肥厚性瘢痕は、怪我ややけどなど、皮膚に生じたキズが治る最終段階で生じる皮膚のできものです。通常、肥厚性瘢痕を経てケロイドに至り、両者は連続する病変と考えてよく、厳密に区別できない場合もあります(図1)。傷痕に異常がみられた場合には早期に皮膚科専門医に相談されることをお勧めします。
 大まかにいえば、傷痕が周囲より盛り上がることで肥厚性瘢痕となり、さらに拡大する場合ケロイドとなります。つまり、皮疹がもとの傷と同じ範囲にできるものが肥厚性瘢痕であり、傷よりも広範囲に広がってできるものをケロイドと考えればよいでしょう。原則、肥厚性瘢痕は治療などによりもとに戻るとされますが、ケロイドは残念ながら残存することが多く整容的に問題となります。肥厚性瘢痕は治療などにより隆起は平坦化しますが、ケロイドは治療抵抗性で残存するため、診断がとても重要です。なお、ケロイドはギリシア語で“カニや鳥獣の爪に似たもの”という意味を持ち、あたかもその形態がカニの足を広げた形に類似することに由来します。日本語では蟹足腫(かいそくしゅ)とも言います。

図1 肥厚性瘢痕からケロイドへ移行していると考えられる病変
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