Q1メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍にはどのようなものがありますか?
皮膚は、メラニン色素を産生して皮膚の色を決定するメラノサイト、「垢」をつくりだし皮膚の最外層に位置する、表皮内の角化細胞などで構成されています。毛のある所では、毛包、脇や恥毛部ではアポクリン腺というものもあります。皮膚悪性腫瘍 (皮膚がん)は皮膚を構成する正常な細胞ががん化したものです。
皮膚悪性腫瘍を細かく分けてみます。メラノサイトががん化するとメラノーマに、角化細胞ががん化すると日光角化症、ボーエン病、有棘細胞癌に、毛包ががん化すると基底細胞癌に、アポクリン腺ががん化すると乳房外パジェット病になります。他にも発生頻度は低いのですが、皮膚の他の構成要素ががん化することもあります。日光角化症とボーエン病は表皮内がんとも呼ばれ、がん細胞が表皮内にとどまっている状態であり、他へ転移することが出来ません。一方、有棘細胞癌はがん細胞が表皮内から、その直下である真皮に到達した(浸潤したといいます)状態です。つまり、真皮内のリンパ管や血管にがん細胞が入ることができ、転移を起こす可能性があります。