Q1「類天疱瘡」とはどんな皮膚病ですか?
血液中に存在する抗体はウイルスや細菌などに反応してその感染を防ぐためのタンパク質です。ですから、通常は自分の体(組織)に反応する抗体はありません。しかし、時に、自分の組織に反応する抗体(自己抗体と呼ばれます)が出現して、自己の組織を傷害する疾患があり、これらをまとめて自己免疫疾患と言います。類天疱瘡は、皮膚に対する自己抗原が血液中に存在するため、皮膚を傷害し、皮膚に水ぶくれ(水疱)を作る病気です。天疱瘡とまとめて自己免疫性水疱症とも呼ばれます。皮膚の最も表面に存在する部位を表皮と言いますが、類天疱瘡では、血液中に表皮と真皮の境となる基底膜部に対する自己抗体(抗表皮基底膜部抗体)が血液中にでき、それが表皮の基底膜にある自己抗原に結合して、表皮と真皮の接着が悪くなり、水疱を作ります。しかし、どうして特定の人に自己抗体ができるのかははっきりしていません。
最近、類天疱瘡の病因も少しずつ明らかになり、治療法も進歩して、治癒に至ることもあります。きちんとした検査により確実な診断をつけ、より良い治療を行っていく必要があります。