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アテローム(粉瘤)

Q3足の裏や手のひらのアテロームの特徴を教えてください?

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一般的に表皮嚢腫は毛穴の上方部分の皮膚が陥入して発生すると説明しましたが、毛のない足の裏や手のひらにも表皮嚢腫ができることがあります。これは外傷性表皮嚢腫と呼ばれ、皮膚の一部が小さな外傷や手術の傷により皮膚の内側に陥入してできるといわれています(資料6、7、8)。このタイプの表皮嚢腫の発生にはヒューマンパピローマウイルスというイボウイルスが関与していることがわかっています。足の裏の表皮嚢腫はつねに自分の体重で皮膚の内側へ押し付けられているので、ほかの部位にできたアテロームと異なり、皮膚の外側に盛り上がってくることはありません。そのため皮膚の内部のしこりとして触れることが多く、タコやウオノメと勘違いされていることがあります。

資料6:右足の親ゆびの内側にできた外傷性表皮嚢腫。
資料7:手術で摘出した表皮嚢腫の病理標本(断面図)。
表皮嚢腫が袋状構造をしていることがよくわかります。
資料8:資料7の病理標本で嚢腫壁(袋の部分)の拡大図。
嚢腫壁は基本的に表面の皮膚(表皮)と同じ構造をしています。
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