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アテローム(粉瘤)

Q9治療はどうしますか?

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アテロームの治療は部位や症状等によって異なります。良性腫瘍なので、炎症を伴わず、痛みなどの自覚症状がなければ、特に治療をせずとも構いません。しかし、外観的に問題になる場合や外的刺激を受けやすく、将来的に炎症や破裂を生じる可能が高いと考えられる場合は、外科的に切除します。通常のアテロームでは、表面の皮膚を紡錘形に切開して、嚢腫のみを摘出します。巨大なものでなければ、局所麻酔による日帰り手術が可能です。
また、へそ抜き法(くり抜き法)という簡単な手術法もあります。これは局所麻酔をして、表面の皮膚開口部にトレパン(ディスポーザブルパンチ)という直径4mmほどの円筒状のメスを刺し込み、表面の皮膚とともに袋状構造物の一部をくり抜きます。くり抜いた後、内容物をもみだしながら袋そのものもできるだけ取り除きます。基本的に傷の部分は縫い合わせず、開放創として治癒させます。切除手術に比べると施術時間が短いという長所がありますが、完治までの日数は長くなります。へそ抜き法は手のひらや足の裏の表皮嚢腫や炎症を繰り返し、周囲の組織との癒着が強い場合は適応になりません。
炎症を伴い、赤みや腫れ、痛みが強い場合には、Q6で説明したように、緊急にアテロームの表面皮膚を切開して、嚢腫内の膿性内容物を排出させることを優先します。

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