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ダニ類による感染症

Q1人間に被害を与えるダニにはどんな種類がありますか?

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 ダニは節足動物の仲間で、クモ綱ダニ目に属しています。同じ節足動物に属する昆虫類とは別のグループですが、その種類数はたいへん多く、地球上で2万種類以上が知られています。ダニ類は卵から幼虫、若虫、成虫へと脱皮を繰り返して成長しますが、幼虫の時は3対、そして若虫、成虫になると4対の脚を持っています。なお、昆虫類の成虫の脚は3対です。
 ダニの中には動物や植物に寄生するもの以外に、土の中や住宅の内外など、様々な環境に生息する自由生活性のものもいます。また、いわゆる害虫に寄生する有益なダニや、落ち葉、動物の死骸などを分解することで自然環境に重要な役割を果たすダニもいます。これらのうち、ヒトに病害を引き起こすダニを医ダニ類と呼び、農作物を食害するダニを農業ダニ類と呼びます。
 医ダニ類としては皮膚に寄生して生活するヒゼンダニやニキビダニ、アレルギー反応の原因(アレルゲン)となるチリダニ(ヒョウヒダニ類)(資料1)、皮膚を刺すツメダニ類、シラミダニ類などのほか、皮膚に吸着して血液や体液を吸うマダニ類、ツツガムシ類、イエダニ類などがあります。これらの中でマダニ類、ツツガムシ類の一部が病原体を保有する場合があり、感染症を媒介する可能性があるのです。

資料1:(A)ヒゼンダニ、(B)ヤケヒョウヒダニ

(A)

(B)

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