Q7ライム病とはどんな病気ですか?
ライム病は、ライム病ボレリアという病原体を保有するマダニにより媒介される感染症です。もともと、米国コネチカット州ライム地方では関節炎を主体とする疾患が多発し、ライム関節炎として知られていましたが、これがボレリア感染症であることが分かりました。日本ではシュルツェマダニだけがこのボレリアを保有しており、おもに北海道や本州中部山岳部でのシュルツェマダニ刺症によって、ライム病を発症することが知られています。年間、10~20例が報告されていますが、実際の患者数はもっと多いと考えられます。
症状としては、ボレリアを保有するマダニに刺されて数日~14日後に、刺された部位に赤い皮疹が出現し、次第に周辺に拡大して5~20cmほどの大きな赤みになります。これは「遊走性紅斑」と呼ばれます(資料8)。倦怠感や発熱、筋肉痛、関節痛などを伴うこともありますが、症状が軽いと気付かない場合もあります。時には顔面神経麻痺などの神経症状が現れることがあります。
治療としては、テトラサイクリン系やペニシリン系の抗菌薬が有効ですが、適切な治療が行われないと、皮膚症状、神経症状、循環器症状、眼症状や関節炎など、多彩な症状が出現します。
