国際活動

留学体験レポート:Mayo Clinic - 髙市美佳

2024年12月18日公開

大阪公立大学大学院医学研究科 皮膚病態学 髙市美佳/アメリカ Mayo Clinic

留学先と留学期間

2021年7月~2023年6月の期間、アメリカ・ミネソタ州ロチェスターにあるMayo Clinic皮膚科でVisiting Research FellowとしてAfsaneh Alavi先生に師事しました。

留学の経緯

大学院を卒業する頃、消化器外科医である夫の留学が先にMayo Clinicに決まり、私もこの機会にぜひ留学したい!と思いResearch Fellowに応募しました。当医局の鶴田教授をはじめとする多くの皮膚科の先生方のお力添えを経て、Alavi先生とのご縁をいただきました。

留学先での仕事

主に化膿性汗腺炎や膿疱性乾癬などといった好中球性炎症性皮膚疾患の臨床研究を行いました。化膿性汗腺炎における痒み、栄養・食事療法に関する研究や、肛門周囲病変の鑑別が難しい化膿性汗腺炎と皮膚クローン病との鑑別診断基準の作成など行い論文を発表しました。日本の所属機関である大阪公立大学とも共同研究を行い、臨床・検査所見の類似する汎発性膿疱性乾癬と急性汎発性発疹性膿疱症の臨床所見の比較を行い、鑑別診断のためのスコアリングシステムを開発しました。
研究の傍ら、北米の化膿性汗腺炎患者レジストリの立ち上げに携わり、毎週Alavi先生の外来に同行し、診療を見学するとともに患者へのアンケート調査などを手伝っていました。

楽しかったこと

Mayo Clinicはアメリカ国内で人気病院ナンバーワンを獲得するほど、患者さんファーストで有名な病院で、全てのスタッフのプロフェッショナル意識の高さや、充実した施設・設備に日々感心していました。Dermatology departmentの医師やスタッフも皆とても親切で、カンファレンスや勉強会にも参加させていただき、日本ではあまりみない疾患もありとても勉強になりました。
またミネソタ州の人々はとてもフレンドリーで優しく、特にロチェスターは住民のほとんどがMayo関係者ということもあり治安が良く大変住みやすかったです。田舎ですが大自然に囲まれており、五大湖の近くに週末に出かけたり、長期休みをとって他州の国立公園に旅行したりと、家族や友人との時間をのびのび過ごせました。

大変だったこと

ミネソタは大阪出身の私にとってはとてつもなく寒い(冬はマイナス30℃近くになります)ところで、雪の中の運転がとても怖かったです。また、息子が生後4ヶ月で渡米したこともあり、初めての育児+職場復帰+海外移住ということで最初の半年ぐらいはバランスを取るのが大変でした。アメリカは保育料(特に乳児)が日本よりもかなり高額で、金銭面でもなかなか辛かったです。幸い臨床研究がメインでパソコンさえあればできることが多かったので、息子の体調不良時などは在宅勤務で仕事をしていました。

最後に

産後すぐの留学だったので葛藤もありましたが、結果的には自分も海外研究留学の経験ができて本当に良かったと心から思います。大変なことももちろん色々ありましたが、夫婦・家族の絆は確実に深まりましたし、貴重な出会いもたくさんありました。
この場をお借りして、私の留学に際してご支援頂いた先生方と、日本皮膚科学会の留学支援制度に心より御礼を申し上げます。

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