日本皮膚科学会について

学会カレンダー
キャリア支援委員会
入会手続きはこちら

理事長挨拶

 

 

 挨拶の冒頭にあたり、今般の新型コロナウイルス感染症COVID-19により亡くなられた方々、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、現在も闘病中の患者さん、対応にあたっていらっしゃる医療関係者すべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 日本皮膚科学会会員の皆様におかれましても、新型コロナウイルス感染症により、診療活動、学術活動、日常生活へ、計り知れない影響を受けられていることと存じます。今まで当り前と信じていた行動の変更を余儀なくされ、多くの自由を奪われていると思います。
 しかし、奪われていない、失われていない自由も数多くあります。この失われていない自由を最大限活用し、新しい生活様式における価値観を見いだし、新しい「幸せ」に感謝をして、毎日を過ごすことが大切と思います。
 人類史上に残る今回の感染症との戦いは、まだまだ収束には時間がかかります。しかし、必ずこの長いトンネルを抜ける時が来ます。そして、抜けた時の開放感はすばらしいものがあります。今はその時が来るまで、互いに協力し合い、理解合い、忍耐強く待ちましょう。

 第119回日本皮膚科学会総会が2020年6月4日~7日の日程で、完全WEB開催にて行われました。総会に関連して開催されました新理事会において、日本皮膚科学会理事長二期目を拝命いたしました。大変光栄であると共に、真に身の引き締まる思いです。
 日本皮膚科学会が公益社団法人となり、その定款により、理事の連続任期は3期6年までとなりました。任期のカウントが6年前に同時にスタートしたこともあり、今回の新理事会は、16人中10人が新任となります。新しい理事会メンバーと、新しい価値観を模索しながら、学会運営をさせて戴くことを、楽しみにしております。

 現在、新型コロナウイルス感染症により、世界中が影響を受け、ポストコロナ時代に向けて社会のあり方に大きな変化が訪れようとしています。医療を取り巻く環境は、以前にも増してより一層、厳しい状況となることは容易に想像がつきます。この変わりゆく時代の中で、皮膚科学の領域をより一層強くし、皮膚科医の存在感をさらに増すことが重要です。
 日本皮膚科学会として、皮膚科学をより一層発展させるとともに、質の高い次世代を担う人材を育成することが最重要課題です。そして、皮膚科専門領域を堅持するとともに、他領域との融合を図り、医学の発展を牽引する役割を担う必要があります。領域として多様性をより一層拡充し、会員の利益を守り、公益社団法人として正しい情報を社会に提供し、貢献して行くべく、活動したいと思います。

 専門医制度の問題では、地方と都市における地域格差を是正し、教育、研究を提供する医育機関における体制拡充が求められています。各施設が提供しているプログラムに関しても、次世代の皮膚科医を育成する上で、質の評価をしていくことも必要です。女性医師比率が多い皮膚科学会においては、「医師の働き方」モデルを他の専門領域に先んじて確立し、医療界全体のモデルを構築して行くことが求められています。基礎・臨床研究、海外留学を志す、未来を担う若手皮膚科医をより強く支援し、皮膚科領域のさらなる活性化に務める必要があります。

 新しい領域にも積極的に攻め入り、皮膚科領域をさらに発展させる体制を構築することも重要です。成果を確実に社会実装につなげるために、日本における行政の仕組み、政策として実行するための仕組み、Regulatory Scienceの仕組み等々を、正しく理解し、行動に移していかなければなりません。通信技術、ビックデータサイエンス、AI医学等の技術革新、学術進歩のスピードは益々加速されます。Society5.0における皮膚科診療のあり方を、時代の潮流に流されることなく、自ら価値観を失わず確立し、そしてさらに、進化させて行く、そのための体制を強化したいと思います。

 解決すべき問題は山積されておりますが、理事、代議員、会員の皆様と力を合わせて、皮膚科領域にとって最良の方向性を探り、迅速に施策を実行していくために全力で取り組み、理事長としての職責を果たしたいと思います。どうぞ、ご支援、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

                                      令和2年6月吉日

このページの先頭へ
Copyright © 日本皮膚科学会 All Rights Reserved.