国際活動
留学体験レポート:Karolinska Institutet - 吉岡華子
2024年12月18日公開
スウェーデン カロリンスカ研究所 - 大阪大学皮膚科 吉岡華子
留学先と留学期間
スウェーデンにあるカロリンスカ研究所の分子医学センター、Liv Eidsmo Groupに、2020年8月(卒後12年目、大学院卒業後4か月)から2022年6月末までの約2年間、留学させて頂きました。
留学の経緯
大学院1年目の時に、同じようにヒトの皮膚常在記憶T細胞を研究している上述のグループからImmunityへ、基礎研究とClinical Implicationが見事につながった論文が発表され、すっかりファンになりました。偶然にも、大学院時代の指導教官と留学先でのボスが同じ研究会で発表して知り合いになるというご縁があり、Skypeを通して、またストックホルムへ実際に出向いて面接頂き、受け入れて頂くことになりました。
留学先での仕事
当初の研究計画では芽が出ず、途中から開始した性ホルモンがヒトの皮膚常在記憶細胞へ与える影響の研究で良い結果が得られたため、そちらを進めていました。論文がいまだ発表されていないのが悲しい所ですが、publicationに漕ぎ着けられるよう諦めずに頑張ります。
楽しかったこと
日本人を受け入れるのが初めてで、かつメンバー全員国籍が異なる、という国際色豊かなラボで、日々文化の違いを感じられ、Fikaという所謂おやつの時間に、色々な国籍のお菓子を味わいながら雑談をするのが楽しかったです。最後に、ボスから“I wanna have you forever.”と仰っていただいたのは、2年間頑張ったことが報われたようでお世辞でもとても嬉しかったです。
大変だったこと
娘の担任の電話での英語が聞き取れず、PTA学級代表になってしまいました。また、黄斑円孔ができて視野が歪みまくり、まさかのストックホルムで硝子体手術を受けることになったのは衝撃的でした。しかし、さすがは福祉国家、専門医へたどり着くまでに途方もなく時間がかる難点はありましたが、ほぼ無料で手術が受けられ、術後経過も良好でした。
これから留学を考えている先生へ
自分と家族の手続き、お金のこと、ついて来てくれる家族のフォロー、ラボでの文化の違い、などなど、日本より面倒なことを挙げたらきりがありませんが、旅行と実際に住むことを比較すると、得られるものが100万倍違う、とだけは断言できます。世界各国の素晴らしい友人が出来る得難い体験にもなります。ご興味のある方は是非是非、考え過ぎずに飛び出しちゃいましょう!!