国際活動
留学体験レポート:The University of Texas MD Anderson Cancer Center - 箕輪智幸
2024年12月18日公開
2024年4月~、米国MDアンダーソンがんセンター免疫学講座
留学先の特色

テキサスメディカルセンター

James P. Allison Institute
米国ヒューストンにあるテキサスメディカルセンターは、世界最大の医療機関の集合体です。構成施設のひとつであるMDアンダーソンがんセンターは、がんの治療、研究、教育、予防を専門とした複合的ながん研究・医療機関です。留学先の免疫学講座は、2018年にがん免疫療法でノーベル賞を受賞したJames P. Allison博士が率いており、免疫チェックポイント阻害薬、CAR-T細胞療法、がんワクチンの開発含めたがん免疫療法において、世界最高峰の研究実績を有しています。
ラボと研究テーマ

ラボメンバー
シングルセル解像度でのRNA-seq、TCR-seq、spatial transcriptome、スペクトロフローサイトメトリーによるマルチオミクスによって、免疫チェックポイント阻害薬とがんワクチン併用による腫瘍微小環境のリモデリングや免疫療法抵抗性の獲得機序のより深い解明がラボのテーマです。私は免疫の司令塔である腫瘍浸潤樹状細胞に注目して研究を進めています。
留学先での生活

アポロ in NASA
荷造りや書類の用意、子どもの予防接種、日本で済ませておく手続き関係などで渡米前からてんやわんやしました。渡米後も、アパート、ライフラインの契約、銀行口座の開設、ソーシャルセキュリー番号、運転免許の取得など生活のセットアップで一通りのトラブルと苦労を経験しました。セットアップが落ち着いた後から、週末にはヒューストン近郊に遊びに出かけ楽しい時間を過ごしています。ヒューストン宇宙センターが車で30分のところにあり、年パスを買って子どもたちを連れてっています。
留学を考えている先生へ
留学のデメリットは〇〇万円かかる、臨床に〇年分のブランクができるなど数値化されるものが多いです。一方で、多様な文化・人種の中で過ごすことのメリットは数値では表すことができませんが、人生を豊かにしてくるものと信じています。大学院の卒業を控え、その後も研究を続けたいと思っている先生方、ぜひ留学を考えてみてください(家族同伴者は家族の理解が一番大切です)。