国際活動

留学体験レポート:University of Pennsylvania - 井川徹也

2025年1月8日公開

東北大学 井川徹也
留学先:University of Pennsylvania, Perelman School of Medicine

大学について

 この度、ペンシルベニア大学医学部にポスドクとして留学する機会をいただきました。ペンシルベニア大学はIvy Leagueに属する大学のひとつで、ペンシルベニア州のフィラデルフィアにあります。フィラデルフィアはアメリカ東海岸のニューヨークとワシントンDCの間にあり、ニューヨークには1時間ちょっとで行けるという非常に便利なところにあります。フィラデルフィアはアメリカの独立宣言の舞台であり、ペンシルベニア大学医学部はアメリカ初の医学部が誕生した地であります。大学は都心部からかなり近いところにあり、車がなくても生活できます。また、ニューヨークに近いにも関わらず、家賃などがリーズナブルなことでも知られています。医学部や大学病院はかなりの広い範囲に多数の建物にわたっており、研究も臨床も非常に盛んにおこなわれています。医学の研究においては、mRNAワクチンやCar T細胞による治療法が生まれたことで有名な大学です。

研究室について・研究内容について

 Kambayashi Lab(Pathology and Laboratory Medicine)とGrice Lab(Department of Dermatology)の両方に属する形をとっており、免疫学が専門のTaku Kambayashi教授と細菌学(特に皮膚細菌叢)が専門のElizabeth Grice准教授にco-mentorshipという形でお世話になっております。主として皮膚疾患における免疫記憶について、皮膚細菌叢の関与もからめて研究しています。また、紫外線と皮膚細菌叢の関連についても研究を行っております。どちらのラボもかなり国際的で多国籍なラボであります。

驚いたこと、日本との違い

 ラボをまたいだコラボが非常に盛んで、気軽にほかのラボの先生にも相談できたり、機器をお借りできたりするところがペンシルベニア大学の特徴的なところかと思います。また、アメリカはグラントの額の規模も大きいので、日本ではなかなかできないような高額な実験などもトライ可能な環境にあるのは驚きました。また、アメリカは日本ほどは治安がよくありませんが、大学周辺で事件がおこると、どこで何が起こったかを大学がメールで知らせてくれるシステムがあったり、夜遅くなると大学の乗り合いバスが拾って自宅まで送ってくれるサービスがあるなど、アメリカならではだなと思いました。

大変だったこと

 生活の立ち上げに苦労し、住むところを決める際などにもかなり苦労しました。最初の英語に慣れていない時期から、トラブルの対処にあたって英語で交渉させられる場面が多くあり、「完璧な英語が喋れない」などと劣等感を感じる間もありませんでした。また、アメリカでは食料品や日用品の物価が非常に高く、日本円に換算しては毎回ゾッとしてしました。

よかったと思うこと

 異なる文化背景、異なる人種が共同して過ごす社会は日本とは違って刺激的ですし、色々と勉強になります。生活していく中で、研究以外にも刺激を受け、成長できる機会となっていると思います。臨床と研究を両立していくことが日本では困難に感じていましたが、研究のみに時間を割ける時期が頂けて幸せだなと感じております。アメリカの学生さんやポスドクたちは非常に優秀で、毎日刺激を受けております。しっかりと成果が残せるよう研究に勤しみ、新たな技術、知識を身に着けられるよう努力して参りたいと考えています。

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