国際活動
留学体験レポート:University of California, San Diego - 黒木香奈
2025年1月8日公開
黒木香奈 留学先:米国University of California San Diego
留学先と留学期間
米国University of California San Diego(UCSD)皮膚科のAnna DiNardo先生が主催するラボへ2021年6月(卒後11年目)から2024年5月までの3年間、Postdoctoral fellowとして留学しました。
留学先での仕事
留学先では主に、スフィンゴ脂質S1Pの受容体S1PR2について研究しました。表皮ケラチノサイトのS1PR2がS.epidermidisによるスキンバリアの回復を阻害し接触皮膚炎の炎症形成に関わることや、MyD88/NF-kB経路を阻害することで乾癬の炎症形成ポジティブフィードバックを抑制していることなどを国際学会や論文で発表しました。
楽しかったこと
UCSDの皮膚科は複数のラボを擁しており、皆同じフロアを使用していたため、世界各国から来た研究者たちと交流することが出来、異文化を学ぶことができました。ハロウィーンやThanks giving、クリスマスの時期には皆でポットラックパーティーをしたり、誰かの誕生日にはケーキやプレゼントを買って誕生日パーティーをしたりとラボ間の交流も盛んで、とても良い雰囲気でした。
大変だったこと
最初の半年は英語がなかなか聞き取れなくて苦労しました。ネイティブの英語は勿論のこと、出身国によって様々な訛りがあり、ラボミーティングで質問の内容を聞き間違えて、質問者の意図していたこととは違う返答をしたこともよくありました。また、日常生活では、医療保険のシステムが日本と異なることに戸惑いました。加入している保険の種類によって受診できる医療機関が異なったり、保険適応となる治療が異なったりするため、毎回治療を受ける前に保険適応となるか、保険会社に問い合わせる必要がありました。
これから留学を考えている先生へ
留学は自分の研究スキルアップだけでなく、多種多様な文化に触れ、視野を広げる大変貴重な経験でした。語学に関しては、日本で時間をかけて準備するよりも現地で一日中英語を使う方が早く慣れるので、最低限の準備で良いと思います。研究室のボスや研究仲間との日常会話で日本の文化について聞かれることが多かったので、説明できるようにしておくことをおすすめします。
皮膚科の研究室が入っていた建物
ハロウィーンに開催された皮膚科の研究室合同仮装パーティにて