国際活動
留学体験レポート:Mount Sinai School of Medicine - 渋谷倫太郎
2025年1月22日公開
留学体験記 京都大学皮膚科 渋谷倫太郎
アメリカMount Sinai School of Medicine
留学先と期間
マウントサイナイ医科大学皮膚科(アメリカ、ニューヨーク州)のBrian S. Kim先生の研究室へ2022年8月(卒後12年目)よりポスドクとして留学しています。
留学の経緯
留学のお話は2021年末に椛島健治教授よりKim先生を紹介して頂きました。もともと自分が研究をすすめる中でKim先生の論文をよく参考にしていたこともあり、迷わず希望しました。しその後Web面談を経て採用頂きました。
留学先での仕事
主なテーマは末梢感覚神経を介した皮膚の内臓のクロストークです。マウスモデルを使用して、皮膚の知覚が内臓の免疫機能にどのような影響を与えうるかを研究しています。他にも、企業や他の研究室との共同研究をすすめています。
楽しかったこと
ニューヨークは本当に様々な人が世界中から集まっているため、暮らしているだけで人種のるつぼにいることを実感でき、目標のために頑張ろうと一生懸命です。こうした空気の違いに日々刺激されることがとても楽しいです。季節ごとに様々な行事(写真参照)があり、自家用車がなくても、全て基本駅に公共交通機関でアクセスが可能ですので、遠出をしなくても飽きることはありません。また、留学生活がすすんでくると、ラボの同僚と出かけることも多くなり、各々のこれまでのキャリアや将来について話すことで、育った背景の違いだったり、ものの考え方の違いを知ることができます。こうした生の経験は日本でニュースをみたり本を読むだけでは感じることができないので、とても貴重だと感じています。
大変だったこと
上に述べた楽しいことは、裏を返すと大変なことになります。つまり、多種多様な人が自分の夢を叶えようと頑張る環境の中では、大人しくしているとすぐに埋もれてしまいます。仕事にしても言われることをやっているだけではだめだし、プライベートも黙ってデスクに座っていても同僚との交流が深まることもありません。相手が自分に求めることや、相手の性格を観察して、それに合わせながら自分のやりたいことや好きなことを伝えて、すり合わせながら少しずつ関係性を築いていく必要があります。言葉の壁も乗り越えなければなりません。こうしたプロセスはやりがいがあるものの、大変だと感じます。
これから留学を考えている方へ
留学先の国や施設、そして本人の家族の状況によって、留学体験記は千差万別です。しかし、日本で働いているときよりも、仕事では研究のことだけを考えることができます。また、海外へ出て生活をする中で自分を見つめ直したり、これまでの日本での環境を客観的に考え直す経験は、実際に海外に出ない限りできません。
良いことも悪いことも、どちらがどのくらいの割合になるのかは分かりませんが、確実にどちらも起こります。そのため、深く考えすぎずに、受け入れてくれる環境が見つかればすぐに飛び込むのが良いと思います。
7月 独立記念日の花火
8月USオープン
10月セントラルパークからの眺め
12月皮膚科のホリデーパーティー