国際活動

留学体験レポート:Ludwig-Maximilians-Universität - 今福恵輔

2025年2月5日公開

留学先:ドイツ、ミュンヘン Ludwig-Maximilians-Universität
留学期間:2023/4-現在まで

留学の経緯

大学院入学当初、海外留学は特に考えていませんでしたが、研究が進むにつれ実験の面白さに惹かれ、海外学会での発表を通じて留学に興味を持つようになりました。しかし、大学院卒業時はコロナ禍で、すぐに留学することは叶いませんでした。その間、病棟で働きながら留学先を探し、所属ラボのボスであるJens Waschke教授を紹介していただきました。その後、ESDRを通じてラボを訪問し、念願の留学が実現しました。


初めてボスと出会う

留学先での仕事

Jens Waschke教授のラボでは、天疱瘡におけるデスモソームの超微細構造やシグナル伝達経路の解析を中心に研究が行われています。一方で私は大学院時代にタイトジャンクションの解析を専門としていたため、天疱瘡におけるタイトジャンクションの解析を担当しました。

大変だったこと

渡独直後は生活基盤を整えるのに苦労しました。特にミュンヘンでの家探しは困難でしたが、現地コーディネーターの助けで渡独前に住居を確保できました。その後も幼稚園や病院の手配、ビザの取得などやるべきことが多く大変でした。研究面でもラボ独自のルールを理解するのに時間がかかったほか、思うようなデータが得られず試行錯誤が続きました。それでも少しずつ課題を克服し、前進しています。

楽しかったこと

新しい環境でのすべてが新鮮で、街を歩くだけでも楽しめています。ラボは国際色豊かで、基本的に英語でコミュニケーションが取れるため、人種差別の心配もなく親切な人々に囲まれた環境です。海外留学は研究や論文執筆が主目的ですが、異文化に触れ、生活を楽しむことも重要だと感じます。ミュンヘンはスイスやオーストリアに近く、週末には子どもと日帰り旅行を楽しむなど充実した時間を過ごしました。


ラボメンバーで近所の湖へ

これから留学を考えている人へ

海外留学は生活の基盤を移す点で旅行とは異なりますが、私にとって人生の大きなプラスとなりました。子どもたちにも多くの経験をさせることができ、価値ある挑戦だったと感じています。英語力と金銭面は壁となりやすいですが、英語は文法を気にせず話し続ければ慣れますし、意思疎通も徐々にスムーズになります。金銭面では、日本皮膚科学会などの奨学金やラボからの給与を活用することで生活を維持できます。私の環境は留学を推奨してくれるものでしたが、多くの人にとって留学は身近ではないかもしれません。それでも、少しでもチャンスがあれば挑戦し、その機会をつかんでほしいと思います。

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