国際活動
留学体験レポート:University of California, Davis - 松島由明
2025年2月5日公開
留学先
米国のUniversity of California, Davisへ2024年2月から留学しています(卒後11年目)。工学部のBiomedical Engineering部門でScott Simon先生の研究室へ客員助教として伺いました。
留学の経緯
当科からはここしばらくの間にそもそも留学をされた先生がおらず、留学先の決定には科内のみならず他大学の先生方にもご指導いただきました。そうした中で、好中球の研究をされていたSimon先生をご紹介いただき、希望させていただきました。
留学先での仕事
ヒト好中球の循環から組織移行における好中球内のインフラマソーム活性化について研究を行っています。Microfluidic deviceと共焦点顕微鏡を用いたE-selectinによる好中球活性化の測定を下敷きに、E-selectin結合に加えてその結合に機械的刺激を与えることをmicrofluidic deviceを用いずに再現しフローサイトメトリーで検出する方法を構築しつつあります。
楽しかったこと
ボスとラボマネージャーと学部生の方々がいてとても親切にしてもらいました。Davisという町自体が学生や職員など大学関係者がたくさんを占める町であり、全体としてかなり治安がよく生活に不自由はありませんでした。ボスとしばしば食事にいったり、ビリヤードにいったり、ホームパーティーにいったり、別荘にいったりとアメリカンな文化にも触れさせていただきました。
大変だったこと
医学・科学の英語はなんとかわかるものの、住居の契約など日常会話ともまたちょっと違う英語などについては苦労しました。口頭では追いつかないので、書面やメールでの対応をお願いしたりしました。妻子を残して単身渡米であったので、渡米後ひと段落したら大変に寂しさがでて困りました。今はweb会議ツールが発展したおかげで家族の顔と子の成長を海の向こうで見ることができたということは、きっと昔に比べるとすごくいい時代になったのだろうなと思いました。
研究面では、渡米後半年ほどでボスが一身上の理由により年末での引退と研究室の閉鎖が決まりました。耳を疑いましたが、もはやどうしようもないので、隣の都市の交流のある研究室への転属を交渉しなんとか受け入れていただけました。間断なく2025年からは新しい研究室で活動をし、現在の研究も継続させていただけることとなりました。
これから留学を考えている先生へ
異国の地で生活をすること自体が、自分にとってプラスになると思いました。異文化を体験して知ることは面白いですし、海外旅行では気が付かないような日常における違いとかを感じると興味が尽きません。留学先についてはベテランの先生のところに行かれる方も多いと思いますが、あまりベテランすぎると引退イベントが発生するかもしれません(笑)。縁やタイミングなどが合わないと難しい留学ですが、はまった機会があれば留学はおすすめしたいなと思います。
研究室の外観
研究室の内観