国際活動
留学体験レポート:Stanford University - 池田有里
2025年2月5日公開
池田有里 留学先:米国Stanford University
留学先と留学期間
CaliforniaのStanford University Department of dermatologyのJean Yuh Tang教授のlabへ2024年1月から2025年12月までの2年間の契約でPostdoctoral fellowとして留学しています。
留学先での仕事
所属しているlabは臨床治験を主に行っているlabで、栄養障害型表皮水疱症の治療としてretro virusを用いてgene editして作成した自己由来のケラチノサイトシートを患者さんに植皮する治験をおこなっています。他に小さな臨床治験や非常に多くの表皮水疱症の患者さんのデータベースを使った表皮水疱症のデータ解析を行っています。
SIDに参加したり、教授の外来陪席をしたり、debra meetingに参加し、表皮水疱症の患者と交流したりレクチャーを聞いたりしました。(たまたま在米されていた日本人の患者さんご家族にもお会いしました)
楽しかったこと
StanfordはPostdocのサポートが手厚く、医療保険含めた保険の契約、international向けに英語の授業を提供してくれたり、様々な講義を受講できたりと恵まれた環境にあります。
外来陪席では皮膚癌の多さと治療の違い、人種が多様なため、日本では馴染みのない皮膚疾患があったり、逆に日本ではよく見る皮膚疾患が稀な例として報告されていたりと今までと違う経験ができました。
また、labはclinical research coordinatorやadministration、undergraduateのstudent、medical studentなど様々な職種の人がおり、皮膚科のことだけでなく文化の話や政治の話など色々な話題がありました。また、それぞれの誕生日を毎回lab memberでお祝いしたり、Halloweenにはpumpkin curvingをしたり、karaoke partyがあったりとsocial eventに富んでいます。
プライベートではバドミントンをしたりゴルフを始めたり、ハイキングにいったりしています。2024年5月にドジャーズがサンフランシスコにきたときに大谷選手と山本選手の試合も見に行きました。
大変だったこと
最初の問題は家探しでした。Social security numberとcredit historyがないと自分で契約ができないのですが、シェアハウスを探すなど家は日本で決めてからの渡米をお勧めします。車の免許は筆記試験と実技試験はスムーズだったのですか、DMVに行くといつも待ち時間が長く書類トラブルも多かったです。
また臨床のlabにおり、ネイティブかネイティブレベルの英語を話せる人しかいないこと、臨床医として働いているわけではないですが治験の患者さんとコミュニケーションを取らないといけないこと、自身の性格もあって英語に対する恐怖は未だにあります。大学のプログラムを利用したり、language exchangeの人を募ったりしながら細々と勉強を続けています。
大学周りは非常に安全なエリアなのですが、家賃や生活費が日本の3倍~5倍になるので東京にいる時と比べてかなり自炊をする頻度が増えました。
これから留学を考えている先生へ
1年間が経過し、日本とアメリカの医療制度の違い、教育の違いなどを身近に学びました。また、今後の自身の進路を考える良い機会になっていると思います。
ほとんどの方がwet labに留学されていると思うのですが、アメリカで今後residentやFellowshipなどを考えていらっしゃる方はClinical labへの留学も良い選択肢だと思います。
病院のロビー

Debra conference

大谷選手