国際活動
留学体験レポート:Leiden University - 高田紗奈美
2025年2月17日公開
留学先と留学期間
オランダ・ライデン大学医療センター・小児免疫学研究室へ、2018年~2021年の3年間、先天性免疫異常症グループ(PI: Mirjam van der Burg)のポスドクとして留学しました。
留学の経緯
大学院のころ京都に国内留学し、自己炎症性疾患の研究をしていました。すっかり研究に魅せられ、これを続けたい!と思っていたところに、同業の夫がオランダ・ユトレヒト大に留学を決めたため、ユトレヒトから通える範囲での留学先を模索しようと、その分野のトップが集うヨーロッパ免疫不全学会(ESID)に出向きました。が、なかなか自ら声をかけることができず、、、。困っていたところに、たまたま居合わせた日本人小児科医の先生が紹介してくださったのが、その後留学先のボスとなる、Mirjamでした。
帰国後、Skype面接を経て、奨学金獲得を条件に、受け入れてくださることになりました。
留学先での仕事
患者さんのサンプルを用いた、先天性免疫異常症の病態解析(主にDNA修復異常による抗体不全症、B細胞レセプターのレパトワ解析)をしていました。
楽しかったこと
街並み・景色が美しかったこと。週末は自宅周辺を散歩、平日はユトレヒトからライデンまで40分ほどかけて電車で通い、車窓から見えるたくさんの牛、馬、羊たちに癒されていました。
ラボのメンバーがフレンドリーだったこと。女性中心のグループで、ボスも含めて、友達のように仲良くなれました。帰国後も、ESIDの学会では毎回会って、再会を喜んでいます。
子供が一番大切、という風潮のオランダで出産も経験し、その恩恵にも存分にあずかりました。
大変だったこと
奨学金がなかなか取れなかったこと。受け入れの条件でしたが出国前には獲得できず、”visitor”として受け入れてもらってから、後に取れた奨学金をもって、やっと”post-doc”と呼んでくれました。
電車のアナウンスがオランダ語なので、急遽運行がキャンセルになったことに気づかず、真っ暗になった電車に閉じ込められたこと。ドアを叩いていたら気づいた駅員さんが助けてくれました。
家探し、出産準備、保育園探し。でもその都度ラボのメンバーが助けてくれたのが、いい思い出です。
これから留学を考える人へ
お世話になった上司の先生の言葉を借りるなら、「臨床も研究も、人とのつながり」。私が留学で得たつながりは計り知れません。ほんの一例ではありますが、悩んでいる先生がいらっしゃったら、この体験記が何かの参考になりましたら幸いです。
最後になりますが、日本皮膚科学会留学支援制度に留学生活をご支援いただきましたことを、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ラボメンバー。一番左が筆者、左から3番目がPIのMirjam van der Burg。
後ろの建物がライデン大学医療センター。
帰国直前、モロッコ料理をみんなで作って食べる、という送別会を開いてくれました。
ライデン中央駅。
ライデン大学医療センターまで徒歩2分。
自宅周辺、ユトレヒトの街。
オランダの特徴といえる、運河、自転車、曇り空。