国際活動
留学体験レポート:The Rockefeller University - 三浦俊介
2025年2月17日公開
留学体験記(東京大学 三浦俊介/アメリカ The Rockefeller University)
留学先と留学期間
Laboratory of Investigative Dermatology, The Rockefeller University, New York, NY, USAへ2019年7月(卒後9年目)から2022年12月までの約3年半。James G. Krueger教授の研究室に留学しました。
留学の経緯
The Rockefeller Universityは、これまで当医局から複数の先生方が留学されており、私で5人目となります。佐藤伸一教授をはじめとする先生方のご支援により、留学の機会をいただきました。Krueger Labは乾癬分野での研究実績が豊富であり、また自身の興味とも合致していたことから、ぜひ挑戦したいと考えました。
留学先での仕事
私は主に乾癬における表皮細胞の役割について研究し、特にサイトカインや抗菌ペプチドの相互作用に注目しました。加えて、同僚のアトピー性皮膚炎や化膿性汗腺炎の研究にも共同研究者として携わりました。幸いにも、第一著者として3本、共著として3本の論文を発表することができました。
楽しかったこと
ニューヨークは世界有数の大都市であり、仕事だけでなく生活面でも充実していました。職場と住居がマンハッタン内にあったため、MoMAやメトロポリタン美術館、ブロードウェイのミュージカルなど文化的な施設へも気軽に足を運ぶことができました。スポーツイベントも豊富で、メジャーリーグや全米オープンテニス観戦なども楽しみました。また、セントラルパークは家族での憩いの場となり、四季折々の風景を楽しむことができました。特に春のお花見や秋の紅葉は印象的でした。
大変だったこと
一番の試練はCOVID-19のパンデミックでした。当時のニューヨークは感染のEpicenterで、2020年3月よりロックダウンを経験しました。生活の安全が脅かされた他、ラボも3ヶ月間閉鎖されたりするなど、公私共に多くの困難がありました。その間は研究データの解析や論文の執筆に集中し、限られた時間の中で成果を最大限に出すよう努めました。また、英語面では同時期に留学していた九州大学の山村和彦先生に助けられ、特に問題なく研究が進められましたが、早口のネイティブとの議論は難しく、言語の壁を感じることもありました。
これから留学を考えている先生へ
留学は研究に没頭できる貴重な時間であり、異文化の中で多様な価値観に触れる機会にもなります。現地での生活の立ち上げや言語の壁など大変なこともありますが、それ以上に得るものは大きいです。若い先生方には、ぜひ積極的に挑戦してほしいと思います。
ニューヨークといったらこれ
メジャーリーグ
左:私 右:James G. Krueger先生
ラボのクリスマスパーティー
パンデミック前のタイムズスクエア(2019年9月)
パンデミック中(2020年5月)