国際活動

留学体験レポート:Harvard Medical School - 足立晃正

2025年2月17日公開

留学までの流れ

京都大学で椛島健治先生、本田哲也先生のご指導のもと2021年にPh.D.を取得し、市中病院で3年間臨床をした後、2024年4月からJun Huh lab(Department of Immunology, Harvard Medical School)でポスドクとして働き始めました。大学生の頃から漠然といつかは留学したいと考えていたのですが、医局を離れていたため、留学先は自分で一から探しました。条件として、①自分の興味がある免疫、細菌、神経を絡めた研究をしている、②子供3人連れての留学になるため、安全で日本人コミュニティがある、を考えて、合致しそうなラボのホームページを見て、8人のPIにメールをしては、可能性があるPIとはZoom面談をして、留学先を決定しました。

研究と生活

Jun Huhラボは腸内細菌叢や胆汁酸、自閉症に関する仕事をしているため、皮膚研究をしている同僚は全くいませんでした。自分としては、皮膚以外の研究でも良いと考えていたものの、Junからは専門である皮膚の研究をした方が良いのではという提案があったため、元々興味がある口腔内及び腸内細菌叢と皮膚免疫の繋がりについて研究を開始しています。自分の研究プロトコルが大学で認められるまでの最初の3ヶ月ほどは、論文を読んでJunとディスカッションをしたり、お試しのような実験しかできておらずもどかしい日々を送っていましたが、最近ようやく本格的に始動して来たところです。皮膚科医だけではなく、一般の研究者の興味も引くようなテーマになるように考えろとミーティングの際に毎回言われ、今までは考えてこなかったことを考える良い機会となっており、これからどのような方向性でいくか楽しみです。

子供達は、現地の学校に通っていますが、日本人の同級生が多いため学校生活は問題なく過ごせていますが、その分英語能力の伸びは遅いのかもしれないと感じています。また、ボストンは物価、家賃が非常に高額です。ボストンの隣にあるブルックラインという街で暮らしていますが、円安の影響もあり日本の3倍ほどはかかるつもりでいた方が良いと思います。しかし、皮膚科学会の留学助成を受けることができ大変助かっております。少しでも良い仕事をして日本に帰国した際には、日本の皮膚研究に少しでも貢献できるように研鑽を積んでいきたいと考えています。


筆者が研究している建物


研究室のイベントでリンゴ狩りへ


Harvard Medical Schoolの免疫学系のラボ合同のRetreatにて

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