Q1ヒトの皮膚色はどうやって決まるの?
ヒトの皮膚色を決めている色素として、メラニン、ヘモグロビン、カロチノイド、フラボノイドなどが知られています。その中で、人種間の皮膚色の違いを規定するなど、最も中心的な役割を担っているのはメラニンという色素です。メラニンは皮膚表面の表皮に存在する色素細胞の中で作られます。そして、その合成量によって皮膚色が大方決まります。メラニン合成量のコントロールは日光照射などの生活環境にも影響されますが、各人種における皮膚色の範囲がおおよそ先天的に決まっていることから明らかなように、遺伝子によって決まります。メラニン合成に係る遺伝子は150個以上存在すると報告されておりますが、おおよそ5~10程度の遺伝子がその合成量決定に大きな影響力を持って、皮膚色が決まるようになっております。
ところで、カラフルな色をしている熱帯魚は黒以外に4種類の色素を持っており、それらの色を組み合わせることにより、輝くような色を作っています。したがって、熱帯魚では非常に多彩な色調が見られます。ところが、ヒトは1種類のメラニンしか持っていないため、虹色の皮膚にはなれません。