Q6青アザの治療はいつしたらよいですか?
太田母斑はQスイッチ・レーザー治療をいつ行ってもきれいにすることができますが、一般に小児の方が、治療回数が少なくてすみます。しかしレーザー治療には強いゴムで弾かれたような痛みをともなうので、小児ではあばれて、レーザー光線が目に入ると失明する危険性があります。従って小児期にレーザー治療を行う場合は、全身麻酔を受ける必要があります。今では小児でも安心して全身麻酔を受けることができますが、レーザー治療を何回か繰り返す必要があるため、麻酔による副作用を無視することはできません。しかも小児期に太田母斑のレーザー治療を行い、色素病変が消失しても、約半数の患者さんは、思春期頃にまた色素病変が生じてきます。従って、太田母斑が完全に完成する思春期以降になってからレーザー治療を行った方が、二重手間になりません。しかも成人になってから治療しても、きれいに治すことはできます。
一方蒙古斑の大部分は10歳前後に消えるので、小児期にレーザー治療を行う必要はありません。ただし、異所性蒙古斑では、完全に消えることはないため、レーザー治療の適応となります。しかしこれらの異所性蒙古斑も10歳頃までには、ある程度色調の改善がみられるので、10歳過ぎてからレーザー治療を開始した方がよいかもしれません。また通常の蒙古斑でも成人になって残存するもの(持続性蒙古斑)もレーザー治療の対象となります。但しこれらの蒙古斑は太田母斑と比べ、色が皮膚深部に存在する可能性があるため、太田母斑よりレーザーの効きが悪い可能性があります。