Q12赤アザにはどのようなものがあるのでしょうか?
血液中に存在する赤血球のために赤く見える「アザ」を赤アザといい、医学用語では血管腫と呼ばれています。血管腫には以下のようなものがありますが、代表的な赤アザは、生まれつき存在する平らな単純性血管腫(資料17)と、生後まもなく生じ、1歳頃までに急激に大きくなり、その後徐々に小さくなるイチゴ状血管腫(資料18)です。
- 海綿状血管腫(狭義)は皮膚の深いところに存在する柔らかい腫瘤で、圧縮性があり、色は淡青色調です(資料19)。
- 静脈性蔓状血管腫はへビがとぐろを巻いたような外観を呈する青色調の柔らかい腫瘤です。
- 動脈性蔓状血管腫は海綿状血管腫に似ますが、拍動・振戦・血管雑音が認められ、皮膚温が著しく高いなどの特徴があります。
- 血管芽細胞腫は暗赤褐色の硬いしこりで、押すと痛みを伴います(資料20)。また血管腫の皮膚表面が汗ばんでいることがあり、生後まもなく発生するものと、成長後に生ずるものがあります。
- 血管拡張性肉芽腫は直径1cm以内、ときに2~3cmにおよぶ柔らかい腫瘍で、赤く見え、表面を擦ると簡単に出血します(資料21)。外傷などの傷口を契機に、後天的に生ずる比較的ありふれた血管腫です。
- グロムス腫瘍は爪の下に生ずることが多く、痛みを伴うことが多い薄い青色調の腫瘍です(資料22)。
- 老人性血管腫は体、特に上半身に生ずることが多い血管腫で、大きさは直径1~5mm程度です(資料23)。光沢あるルビー色(時に暗紅色)のほぼ円形のドーム状に隆起した自覚症のない小腫瘍です。高齢者によくみられるのですが、20歳代で生ずることもあります。
- くも状(星芒状)血管腫は赤色の小さな結節を中心に放射状にのびる細かい血管の拡張で(資料24)、妊娠時や肝障害時に生じやすいのですが、健康な人にみられることもあります。