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アザとホクロ

Q10ホクロを取りたいのですがどうしたらよいでしょうか?

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 ホクロのように見えても、基底細胞癌や老人性角化腫、または悪性黒色腫といった皮膚癌のことがありますので、自己判断せずに、皮膚科専門医を受診し、本当にホクロかどうか診断を受けて下さい。
 ホクロは母斑細胞からなる皮膚良性腫瘍ですので、これを取り除くためには、手術によって切除するしかありません。手術には色々な方法がありますが、円筒状の刃で刳り貫くパンチ切除と通常のメスで切除する方法、または電気メスや炭酸ガスレーザーで焼き切る方法があります。手術療法は一回の治療で済みますが、手術後、感染予防のためしばらく手術部位を濡らすことができないことと、手術の傷跡が残るという欠点があります。特に鼻と上唇の間に存在するホクロをパンチ切除や焼き切る方法で除去すると、ケロイドになりやすいです。しかし小型のホクロでは、特にシワがある部位では、手術の傷跡はシワに隠れてあまり目立たないこともあります。
 一方、最近傷跡を残さない超短パルスレーザー(Qスイッチ・レーザー)が開発されました。このレーザーでは、色を持っているホクロの細胞だけを選択的に破壊するため、瘢痕形成がみられない利点があり、小さなホクロでは数回レーザー治療を行えばほとんど消失します。しかし、母斑細胞が多く存在するもの(大型のホクロ)は、多数の治療回数を要し、その結果、治療間隔が短いと本来持っている皮膚の色が白く抜ける可能性があります。また盛り上がったホクロは、Qスイッチ・レーザーで治療しても、あまり平らになることはありません。
 今のところ、直径7mm以下のホクロが癌になったという報告はないのですが、癌化を心配するのであれば、レーザー治療よりは外科的に完全に取り除いた方が安心だと思われます。

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