皮膚科Q&A

皮膚科Q&Aを検索

アザとホクロ

Q7茶アザにはどのようなものがあるのでしょうか?

印刷

 茶アザは表皮に存在するメラニン色素が多いために、周りの皮膚より茶色く見えるアザです。カフェオレ斑、扁平母斑、ベッカー母斑があり、年をとって生ずるシミやソバカスとは医学的に区別されています。

  1. カフェオレ斑は生まれた時に存在しますが、生後まもなく生ずることもあります。境界が明瞭なコーヒー牛乳色の色素斑で、大きさは直径0.2~20cmと様々です(資料9)。10~20%の人にみられるありふれたアザですが、径1.5cm以上の色素斑が6個以上あればレックリングハウゼン病(神経線維腫症1)という遺伝疾患の可能性がありますので、病院で診察を受けてください。
  2. 扁平母斑は生まれつきの色素斑ですが、我が国ではレックリングハウゼン病などにみられる色素斑をカフェオレ斑と称し、それと見た目では全く区別できない色素斑があっても、レックリングハウゼン病などの病気でない人に生じた場合は、扁平母斑と呼んでいます。一方欧米では扁平母斑は、薄い褐色斑内にそれよりも濃い褐色の斑あるいは丘疹が点状に存在するものをいい、濃い色素斑はホクロの細胞(母斑細胞)からできています(資料10)。
  3. ベッカー母斑は遅発性扁平母斑とも呼ばれるように、思春期に生ずる大きな(平均125cm2程度)褐色の色素斑です(資料11)。表面はややざらざらし、境界はぎざぎざしていることが多いようです。肩甲部から前胸部にかけて生ずることが多いのですが、おなかや、四肢に生ずることもあります。約半数の患者では色素斑に多毛がみられます。
資料9:カフェオレ斑
資料9:カフェオレ斑
資料10:欧米でいうところの扁平母斑
(日本では点状集族性母斑と呼ばれることもある)
資料10:欧米でいうところの扁平母斑(日本では点状集族性母斑と呼ばれることもある)
資料11:ベッカー母斑
資料11:ベッカー母斑
このページの先頭へ