Q6区別すべき病気にはどのようなものがありますか?
皮膚が腫れたり硬くなる病気はほかにもあります。特に全身性強皮症とは共通点も多いのですが治療方針が全く異なるためしっかりと区別する必要があります。
全身性強皮症ではまず手の指から皮膚の腫れや硬化が始まることが多く、他にも肺や食道などの内臓の異常、レイノー現象や肺高血圧症などの血管の異常、そして抗核抗体や抗トポイソメラーゼI抗体などのいわゆる自己抗体の出現のような免疫異常がみられます。また、皮膚生検での皮膚の硬くなりかたのパターンの違いや血液検査での好酸球数の異常の有無も区別の参考になります。
一方、限局性強皮症という病気では1個あるいは複数の、くっきりした斑状あるいは帯状の皮膚硬化が出現します。手足に限らず全身どこにでも生じうることと、左右対称ではないことが好酸球性筋膜炎と異なる点になります。ただ、特に欧米には好酸球性筋膜炎は限局性強皮症の一種であるという考え方も存在し、区別があいまいな部分も残されています。