会員の皆様へ
単純ヘルペスウイルスキット(デルマクイック®HSV)の臨床上の意義及び適正使用について
2023年02月14日
単純ヘルペスウイルスキット(デルマクイック®HSV、以下、本キット)の保険適応申請の際、厚生労働省
の指摘により適正使用のための指針の提出を求められたことを受け、日本皮膚科学会では渡辺理事を中心に本キットの意義及び適正使用について検討を行い、本会理事会において承認されたので以下に報告します。
・単純疱疹の診断と治療
単純疱疹の多くは問診、視診で診断可能な典型例であるが、帯状疱疹、伝染性膿痂疹、接触皮膚炎、ざ
瘡、毛嚢炎、口角炎、手足口病などとの鑑別が難しい非典型例では、検査による診断が必要である。
瘡、毛嚢炎、口角炎、手足口病などとの鑑別が難しい非典型例では、検査による診断が必要である。
単純疱疹の治療には抗ヘルペスウイルス薬を用いるが、既存の抗ヘルペスウイルス薬はウイルスの増殖
を抑制するものであるため、可能な限り発症早期に用いる必要がある。したがって、治療方針を決定す
る初診時の早期診断が特に重要である。
を抑制するものであるため、可能な限り発症早期に用いる必要がある。したがって、治療方針を決定す
る初診時の早期診断が特に重要である。
なお、単純ヘルペスウイルスには1型と2型が存在し、型によって再発頻度に差はあるものの、初診時の
治療選択のうえでの型判別の意義はない。
治療選択のうえでの型判別の意義はない。
・臨床現場でのデルマクイックHSVの臨床的位置づけについて
本キットは単純疱疹の皮疹から5~10分で単純ヘルペスウイルスの抗原の検出が可能である。臨床試験
の結果を鑑みると、リアルタイムPCR法より感度は劣るものの、特異度が非常に高く、早期診断の検査
として十分な精度を有すると考えられる。
の結果を鑑みると、リアルタイムPCR法より感度は劣るものの、特異度が非常に高く、早期診断の検査
として十分な精度を有すると考えられる。
本キットは視診で診断可能な単純疱疹の典型例に用いる必要はないが、上述の非典型例で他疾患との鑑
別が必要な場合に使用するべきと考える。また、他疾患が検査結果などによって否定され、なお単純疱
疹が疑われる場合には、診断の確定もしくは除外診断のために本キットを使用すべきと考える。
別が必要な場合に使用するべきと考える。また、他疾患が検査結果などによって否定され、なお単純疱
疹が疑われる場合には、診断の確定もしくは除外診断のために本キットを使用すべきと考える。
単純ヘルペスの治療においては特に初診時の早期診断が重要であり、初診時に診断結果に基づいた適切
な治療に寄与できる本キットの臨床上の有用性は非常に高い。
な治療に寄与できる本キットの臨床上の有用性は非常に高い。
2023年2月14日
公益社団法人日本皮膚科学会
公益社団法人日本皮膚科学会