会員の皆様へ
日本皮膚科学会雑誌の装丁一新にあたって
日本皮膚科学会雑誌委員会委員長
『日本皮膚科学会雑誌』編集委員長
大塚藤男
2011年(平成23年)の日本皮膚科学会雑誌第121巻第1号をご覧いただき,会員の皆様のご感想はいかがでしょうか.新年のめでたさの冷めや らぬ時期ですが,1994年(平成6年)以来表紙を新たにし,また誌面のカラー化など面目を一新しております.カラー印刷に関する投稿規定も改変しており 中身も変化しています.日皮会誌も世の趨勢に並行して動いたとも言えます.表紙のデザインは日皮会誌の基本色彩であるライトブルーを基調にしております が,曲線の動きを入れてこれからの本誌の活動性を期待した面もあります.表紙,誌面を新たに皮膚科学,皮膚科学会の情報源として,あるいは皮膚科全体の情 報交換の場として本誌がこれを機会により一層の力強い機能を発揮できるよう期待しております.どうぞ日本皮膚科学会雑誌に倍旧のご支援をお願い致します.
と申し上げた矢先ではありますが,我が国の医学系学会雑誌,特に和文誌はこれまで曲がり角にある,あるいは既に曲がり角を曲がってしまっていると も言われています.皮膚科に限らずどこの学会でも原著論文投稿の少なさに苦しみ,教育的総説論文や会員への情報媒体としての役割に活路を求めている現状で す.日皮会誌はその中にあって,これまで年間100編近い原著論文が寄稿されていた点では私どもとしては会員の皆様に深謝申し上げる次第です.さて,昨年 末には主皮膚科研修施設の責任者の先生宛てに日皮会誌への論文投稿をお願いしました.昨年1年間の寄稿論文が急減したためです.日皮会は質の高い原著論文 としての皮膚科領域の研究論文,症例報告を求めています.各大学の教室や病院の若手の先生方にはよい論文を書くための修練の場としてご利用いただくのも本 誌の在り方の一面かと思います.投稿をお待ちしております.これからの日本皮膚科学会雑誌が明確な役割志向の下,力強く歩む第一歩となることを切に希望し て表紙,誌面改訂のご挨拶といたします.