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メトトレキサート(MTX;販売名リウマトレックスⓇ)について(12/20追記あり)

2018年12月25日

乾癬生物学的製剤検討委員会より、メトトレキサート(MTX;販売名リウマトレックス)について下記のとおりお知らせいたします。

 
公益社団法人 日本皮膚科学会
乾癬生物学的製剤検討委員会
委員長 大槻 マミ太郎
 

メトトレキサート(MTX;販売名リウマトレックス)は、2018年10月17日の 「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」 において「公知の該当性あり」と判断され、11月8日付の薬事食品衛生審議会にて報告、了承されました。これに伴い、公知の承認は2019年3~5月頃の見込みですが、実際には11月9日付で、乾癬という病名で処方したリウマトレックスが保険償還可能となっています。実に4年以上かけた長い道程でしたが、2015年と2017年の二度にわたるMTX全国調査(使用実態アンケート調査、使用症例調査)が実った結果であり、皆様のご協力にあらためて深謝申し上げます。
 
リウマトレックスの処方は、厚労省と協議してきた経緯から、日本皮膚科学会の生物学的製剤使用承認施設での使用を求められています。全国調査はいずれも承認施設で行ってきた背景もありますが、MTXそのものは最近上市された生物学的製剤と同等かそれ以上に重篤な副作用が多い薬剤であり、リスクマネジメントが大変重要な薬剤と言えます。使用承認施設に限定した形の慎重な使用について、ご理解いただきたいと思います。
 
なお、皮膚科(乾癬)におけるMTX使用ガイドラインが策定されるまでは、関節リウマチ治療におけるMTX診療ガイドライン(2016年改訂版;下記)を参照していただきたいと思います。
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0262/G0000920


(以下、2018年12月20日追記)
また、本学会としては乾癬に対するMTX薬事承認後の医薬品副作用被害救済(医薬品の副作用により患者が入院や死亡に至った場合、PMDAが救済給付を行う制度)に向けて取り組んでいるところですが、現時点では医薬品副作用被害救済対象になっておらず、さらにはリウマトレックス以外のMTX製剤は、ジェネリック製剤も含めて保険償還の対象ではないことにご留意ください。

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