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性感染症(Sexually transmitted infections, STI)

Q7どんな症状で、始まりますか?

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 各種STIの初めて症状が現れる日数と初期の症状を簡単に表で示します(表2)。

表2 初期症状
梅毒 感染後10~30日で感染部位に硬いしこり。後に潰瘍化し、そけい部(大腿のつけね)のリンパ節が腫脹する。いずれの発疹も痛くも痒くもない。
淋疾 感染2~7日頃男性は排尿時に痛みをともない、膿状の白い分泌物が出る。女性は膿性のおりものがでるが、約半数は自覚症状がない。バルトリン腺炎を起こすことがある。
軟性下疳 感染2~7日後、男性では亀頭や冠状溝に、女性では陰唇、膣口に境界がギザギザの深い潰瘍が生じ痛みが強い。
鼠径(ソケイ)リンパ肉芽腫症 感染後3~12日、性器に小丘疹、小水疱が出現。2~6週後に片側のリンパ節が腫脹。圧痛、自発痛ともにつよい。
性器ヘルペス 感染後2~7日後に陰部にかゆみや違和感のある水疱が出現。破れて痛みのあるびらんや浅い潰瘍になる。発熱、リンパ節腫脹を伴う。
尖圭コンジローマ 感染後3~3カ月後、男性では陰茎の包皮や亀頭などに、女性では会陰部や陰唇などにぶつぶつとしたできものができる。痛くも痒くもないが、だんだん数が増え大きくなってくる。
HIV 感染後2週~2カ月後発熱、関節痛、リンパ節腫脹などインフルエンザ様の症状が出現し、口腔内や性器に潰瘍が生じ、全身に紅斑が出現する。
B型肝炎 感染後、多くは4~9週で倦怠感、食欲不振などが起き、蕁麻疹様の紅斑が現れることがあり、引き続いて黄疸症状が現れる。
性器カンジダ症 男性では尿道炎か亀頭・包皮に紅い丘疹、白色のうみがあらわれる。女性は外陰部にそう痒や白色、粥状のおりものがみられる。
ケジラミ症 感染後1~2カ月後に 下腹部、外陰部などの陰毛の生えた部分が猛烈に痒くなる。まれに、腋毛・ヒゲ、頭髪にも寄生する。点状血痕とケジラミの糞による黒色砂状物質の付着がみられる。
非淋菌性尿道炎 淋菌以外の原因で起きる尿道炎すべてを含む、総称的表現。尿道炎とは主に感染2週間後、尿道から分泌物やうみが出て、排尿時に痛みや不快感をともなう。クラミジア・マイコプラズマ・膣トリコモナス・カンジタ等によって引き起こされる。性器クラミジア感染症では、感染後1~3週間で男性では軽い排尿痛と粘液性、漿液性の分泌物がでる。女性では、帯下の増加、不正出血、下腹部痛、性交痛がありときに急性腹症をおこす。女性の半数は自覚症状がない。
膣トリコモナス症 男性では尿道炎症状を起こすが一般に無症状。女性では感染後6カ月以内に悪臭の強いあわ状のおりものと陰部びらん・かゆみがあらわれる。
性器伝染性軟属腫 感染2週~6カ月後に粟粒大~大豆大までの中心が凹むドーム状の腫瘍で、表面平滑で光沢がある。つぶすと白い物質が出る。
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