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母斑症(ぼはんしょう)(神経線維腫症と結節性硬化症)

Q6この病気にはどのような治療法がありますか

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 現在のところ遺伝子を操作して根本的に病気を治すという方法はなく、基本的には外科的切除などの対症療法が中心です。てんかんに対しては、通常の抗痙攣剤、ACTH、hydrocortisone、日本では使用が認められていませんがg-aminobutyric acid(GABA)amino transferaseの抑制物質であるビガバトリン(Sabril)が使用され、難治性の結節性硬化症のてんかん、に有効な場合があることが報告されています。水頭症に対してはシャント術、脳や腎の腫瘍に対しては外科的切除や経血管塞栓術(TAE)を施行します。脳の中の結節が痙攣発作の原因と確認された場合には、この部分を脳神経外科で切除することもあります。
 腎臓の血管筋脂肪腫は出血の危険性がたかいときには、有る程度の大きさまでなら、腫瘍を養っている血管を詰めて腫瘍に栄養がいかないようにして、腫瘍を縮める方法(TAE)がとられることがあります。
 肺のLAMに対しては、ホルモン療法や、卵巣摘出あるいは、ひどくなれば、肺移植をする場合もあります。
 顔の赤いボツボツ(血管線維腫)や爪の周りの腫瘍は、日常生活でじゃまになったり、美容的に気になる場合は、皮膚科で治療を受けることができます。外科的なメスによる切除以外に、凍結凝固療法、レーザーアブレージョンなどが有効な治療として知られています。最近は日本やアメリカなどで、ラパマイシンの塗り薬を用いた顔面の血管線維腫の治療も試みられ、良好な結果が得られています。
 最近結節性硬化症の新しい治療法として、ラパマイシン(シロリムス)やラパマイシンと同じような作用を持ったお薬が注目を浴びています。ラパマイシンは異常をおこしたチュベリンとハマルチンの複合体のかわりに働いてmTORC1を抑制し、腫瘍の増殖を押さえる作用があります。実際に結節性硬化症の患者さんの有効な治療法のないSEGAや腎腫瘍あるいは肺の病変に対して投与されて、良好な結果が得られています。皮膚の腫瘍もラパマイシンの内服によってきれいになっています。ただいずれの場合も内服を中止すると腫瘍が再び大きくなってきます。そのために、長期間の服用が必要となります。そこで大阪大学医学部皮膚科では結節性硬化症の患者さんの皮膚の腫瘍に対して、副作用の少ない安全な治療法として、このラパマイシンの塗り薬をつくって治療を試みています。

結節性硬化症(プリングル病)



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