Q1ほくろとはどんなものですか?
医学的には色素性母斑、母斑細胞母斑と呼ばれます。皮膚にメラノサイト(色素細胞)に似た良性の母斑細胞が集まることにより生じます。母斑細胞はメラニン色素をもつため、母斑細胞の分布・位置や量によって褐色~茶色~黒色の色調となり、しみのようなたいらな色素斑から隆起した病変など、さまざまな色調および形状をとります(図1、2)。ヒトの成長の過程で学童期から思春期以降に出現してくるもの(後天性色素性母斑)と、生まれつきあるもの(先天性色素性母斑)とがあり、前者が圧倒的に多いです。
後天性色素性母斑の大きさは数mm以下の小型のものが多いです。そのため、大きさが6mm以上を超えてかつ大きさがどんどん大きくなる傾向があるものは、メラノーマの可能性も考えられるため注意が必要です。
一方、先天性色素性母斑は後天性色素性母斑にくらべて大きさが大きく、形もやや不整であるのが特徴です(図3)。また、乳児期にすでに10cmから20cmを超えるような大きさのほくろ(先天性巨大色素性母斑)はメラノーマが発生する確率が高いという研究結果があります。


