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メラノーマ(ほくろのがん)

Q7メラノーマの治療にはどのようなものがありますか?

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 メラノーマの治療は大きく分けて、手術、薬物療法、放射線療法があります。いずれの治療を行うかは、いわゆる病期(どれくらい病気が進行しているか)によって決まります。メラノーマであると診断された場合、全身の画像検査(レントゲン、CT、MRI、超音波検査、PET検査など)などを行い、領域リンパ節(メラノーマのある部位からがん細胞が最初に流れ着くリンパ節群)や内臓に転移がないかどうかを評価して病期を決定します。
 手術は一般に臓器に転移がない場合に行われます。メラノーマの病変が非常に薄い場合は病変を少し大きめに切除する拡大切除、やや病変が厚いものの、領域リンパ節が腫れていない場合は拡大切除に加えてセンチネルリンパ節生検(領域リンパ節の一部を切除して顕微鏡で調べて微小な転移がないかどうか確認する検査)が行われます。病変が厚いうえに領域リンパ節が腫れていて明らかに転移と考えられる場合は、拡大切除に加えてリンパ節郭清術(領域リンパ節をまとめて切除する術式)が行われます。このように手術は病期が早期であればあるほど、小範囲の手術ですみます。

 薬物療法は手術後に再発・転移を防ぐ目的で、あるいは既に切除不能な病変や臓器転移がある場合に行われます。近年の薬物療法は免疫療法、分子標的療法を中心にめざましい発展を遂げており、従来用いられていた抗がん剤に比べてその効果も大きく改善しています。

 放射線療法はやはり手術後の局所再発を防ぐため、あるいは切除不能な病変や臓器転移がある場合にその病変を小さくすることを狙って行われることがあります。以前はメラノーマに対する放射線療法の効果は低いと考えられてきましたが、近年の放射線療法の照射方法の発展や線源の発展に伴い、十分な再発抑制効果や局所制御効果が期待できます。

 手術、薬物療法、放射線療法ともにがん専門病院や大学病院でしかできない治療もあり、その適応や適切な使用のタイミングについては、高い専門性が求められます。そのため皮膚がんを専門とする皮膚科専門医と十分相談したうえで、適切に治療を決定することをお勧めいたします。

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