Q8センチネルリンパ節生検とは何ですか?
メラノーマの病変にあるがん細胞はリンパ管という管に入りこんで流れて近隣のリンパ節群(複数のリンパ節がリンパ管で繋がっている場所)にたどり着きます。このリンパ節群のなかでがん細胞が最初に流れこんで入ったリンパ節をセンチネルリンパ節と呼びます。がん細胞がリンパ節転移を起こす場合、高い確率でセンチネルリンパ節にまず転移することがわかっています。一方で、センチネルリンパ節転移がなければ高い確率でリンパ節群の他のリンパ節にも転移はしていないと判断できます。特殊な医学用の放射性物質や色素を用いて、病変からセンチネルリンパ節を見つけ、検査に提出する手法がセンチネルリンパ節生検です(図13)。
この手法により、リンパ節転移の有無を早期に判断することができ、正確な病期を決定するのに役立ちます。また、センチネルリンパ節転移がなければ、リンパ節郭清を行う必要がないと判断することができ、リンパ節郭清が不必要な患者さんを選別することが可能となります。
A. 医療用の蛍光色素を病変周囲に注射。
B. 特殊なカメラを用いて蛍光色素(白色に描出)がリンパ管を流れていることを確認。
C. 蛍光色素が通過したリンパ管(黒点線)とセンチネルリンパ節があると考えられる部位(黒×印)を皮膚にマーキング。
D. ×印部位を切開して青く染まるセンチネルリンパ節(矢印)を同定・摘出。
