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メラノーマ(ほくろのがん)

Q9手術後もさらに治療は必要でしょうか?

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 手術後の再発・転移予防を目的とした治療(術後補助療法といいます)がありますが、すべてのメラノーマ手術後の患者さんに必要な訳ではありません。主に術後補助療法は、(再発転移の危険性が高い)領域リンパ節転移があった患者さんに適用されます。また、リンパ節転移がなくても、病変の厚さが厚い患者さんでは再発転移の危険性が高いと考えられていることから、今後は病変の厚さが厚い患者さんも術後補助療法の対象となる可能性があります。
 領域リンパ節転移の数が多い、転移したリンパ節のサイズが大きい場合、領域リンパ節の再発を防ぐために放射線療法が行われることがあります。また領域リンパ節再発や臓器転移のいずれも防ぐ目的で薬物療法も行われることがあります。

 薬物療法は以前よりインターフェロンの局所注射が用いられていましたが、その効果が科学的に十分検証されていませんでした。そのため、その効果を検証する前向き臨床試験が行われ、試験結果がもうすぐ公表されます。さらに現在では免疫療法、分子標的療法も術後補助療法で用いられるようになりました。これらの薬剤は既に海外の臨床試験で再発転移を防ぐ効果が認められましたが、生存期間を伸ばす効果があるのかはまだ明らかではありません。また、日本人のメラノーマ患者さんへの効果も十分に検証されていません。現在これらの薬剤は健康保険が適用される治療ですので、予想される効果と副作用などについて主治医と十分話し合ったうえで決定していただく必要があります。

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