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メラノーマ(ほくろのがん)

Q6メラノーマの治療の基本はどうなっていますか?

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 まず、全身の画像検査(レントゲン、CT、超音波、PET検査など)などを行い、病期(病気の進み具合をI 期~IV期に分けて判断する)を決定し、その病期に従った治療を行います。
 メラノーマは抗がん剤の効き目があまり芳しくない腫瘍です。放射線治療もあまり効果がみられません。よって、手術により腫瘍を全部取り去ることが、最も治るための近道です。早期に発見・診断されれば小さな手術のみで簡単に治ることが可能です。手術の後遺症の心配もないでしょう。さらに手術で取り去った標本は、病理検査をして確実にがん細胞が取り切れているかどうかを確かめることもできます。基本的に手術治療とは、初発部位の広範切除術(大きめに取り去ること)とセンチネルリンパ節生検術(所属リンパ節が腫れていない時、行う検査)または所属リンパ節かく清術(所属リンパ節が腫れている時、所属リンパ節をすべて取り去ること)を行います。
 しかし、発見・診断が遅れ、がん細胞が全身のあちこちに転移していて、手術ができない、あるいは手術しても治せない場合があります。そのような場合は、抗がん剤による化学療法や特殊な放射線療法などの治療となります。メラノーマに効果が認められる抗がん剤は少なく、さらに認められてもその有効率は低くあまり芳しくありませんが、全身あちこちに転移した状態に対して、血管内に抗がん剤を入れて全身に行きわたらせることができるので、こういう患者さんに対して一般的に行われる治療法です。
 通常の放射線治療は効果があまりなく、重粒子線や陽子線といった特殊な放射線治療しか効果がみられません。しかし、これらの特殊な放射線治療は、設備のある限られた病院しか治療を受けることができず、また高度先進医療としての高額な経済的負担が必要、放射線障害による後遺症が起きる可能性があるなどいくつかの問題があります。
 その他の治療法の一つとして、さまざまな免疫療法がありますが、メラノーマに対する免疫療法として、効果が確立された治療法はまだ存在しません。

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